Nokiaのドコモ携帯 FOMA NM705i登場

世界最大の携帯端末メーカーノキアが久しぶりにドコモで登場する。FOMA NM705iである。

日本では極めて地味な感じのノキアだが、世界では絶好調で全世界のマーケットシェアは実に4割と独走状態だ。ではなぜ日本であまり端末が出ていないのかというと、それは日本の独特なキャリア主導型の市場特性による。

日本ではNTTドコモが主体となって通信事業者が端末メーカーに端末のスペックを要求してきた。したがって、ドコモが「905シリーズはDojaのXXをサポートして、GPSをつけて、HTMLメールに対応してください」と言えば、各社はそれに従って製品を作ってきた。無論ソフトバンクAUも同じである。

そこに海外メーカー参入の難しさがある。海外のメーカーは日本向けではない端末を作っているため、日本という独特のマーケットでしか通用しない特注の端末を作りたくないのだ。しかしたとえばドコモで端末を提供するのであれば、NTTドコモの絵文字の対応、iアプリ向けのDoja実行環境の組み込みなど面倒は作業が加わってくる。そうすると海外に本社を持つ企業ではなかなかGoサインがでないのも無理はない。

そこへ久しぶりにノキアがドコモで端末を出すということになったのは、フィンランドが特別な日本向けのカスタマイズを許したということになり、その動向は注目される。これまで新規端末の投入に消極的だったノキアだが、日本のマーケットに攻めてくるのか、引く方向に考えているのか読みにくい。

ところで私はノキアのN73(ソフトバンク)を愛用している。すばらしい写真が取れる(カールツァイズレンズ搭載)ことと、ものすごい大音量の出るスピーカー(20メートルくらい離れても楽勝で聞こえる)など国内端末にはない良い点がたくさんある。無論国内端末にはあるのにノキア端末には無い機能もたくさんあるのだが。。

さてこの新しい端末、試作品をちょっと使ってみただけなので、スピーカーや写真をじっくり試すには至っていないのだが、確実に搭載されている他の便利機能について触れたいと思う。

英文予測変換
日本語の予測変換とは少し違う。日本語のは過去に変換した単語を元に、単語の候補を出してくれるものだが、英語の場合はキーに割り当てられたアルファベットと文字数から単語を予測する。

たとえば、「these」という単語を打ちたい場合、通常の英語入力の場合は、8を1回(t)、4を2回(h)、3を2回(e)、7を4回(s)、3を2回(e)打つ必要がある。しかしこの英文予測をオンにしておくと、8、4、3、7、3と一回ずつ押すだけでtheseという言葉を予測してくれるのだ。日本語のそれとまるで違うのでなれるまで使いにくいのと、固有名詞にはほとんど対応しないので頻繁に切り替えないといけないのだが、英語で長文を打つ場合には結構重宝する機能である。

ボイスコマンド
あるボタンを長押しすると、一定時間音声入力を受け付けるようになる。この間に、電話帳に登録されている名前をマイクに向かって話しかけると、そこに電話をかけることができる。たとえば「山田太郎」と言えば山田太郎さんに電話をかけられるのである。それだけではなく、「マナーモード」「通常モード」の切り替えや「ブルートゥース」などの呼び出しもできる。
それだけではなく、自分で登録もできる。私は「メール作成」と呼べば新規メールが立ち上がるようにしている。

ハンズフリー
よくある機能ではあるが、ハンズフリー時のマイク、スピーカーの性能が良い。着替えながらちょっと離れたテーブルに置いた電話を使って話ができる。

もちろん、カメラはスピーカーもきっとN73に比べて遜色の無いものに違いない。

北欧発のスタイリッシュ携帯、様子を見ているのか世界のノキア端末の中では機能が地味なものを出してきた感は否めない。

国内製端末と比べるとクセの強いノキア端末、病み付きになるか、嫌いになるかどちらかだと思う。しかし世界標準の端末の特性に一度取り付かれたら、なかなか離れることができないと個人的には感じている。