Sun Analyst Summit 2008講演資料より、Project Kenai: Sun MicrosystemsのSNSサービス

MIXIに代表されるソーシャルネットワーキングサービスはかなり一般に認知されるようになってきた。My SpaceミクシィGREEのような大規模なものから、特定の関心事を対象としたやや規模の小さいものまで様々なものが乱立している。

そこへきて、JAVAの親玉であるサン・マイクロシステムズが開発者向けにSNSサービスを開始するという発表があった。
Project Kenaiと名づけられたそのサービスは先日開催されたSun Analyst Summitの中で発表された。と言ってもそれに参加したわけではない。SunのCEOであるジョナサン・シュワルツ氏のブログを見ていたら、そのイベントでの彼の基調講演のYouTube動画がアップしてあった。

http://blogs.sun.com/jonathan/entry/sun_analyst_conference1

基本的にはQ2は非常に良い成果を挙げてとってもHappyだとか、今後のビジョンについて一般的なことを語っている。具体的に触れられていたのはBlack Boxのプロジェクトが軌道にのってうまくいっているということと、MySQLの買収の意義についてであった。Black Boxはロシアの通信大手MTS(iモードを採用したところ)にたくさん買ってもらって、でもそのままコンテナを置いておくと雪の下に埋まってしまうので対雪ケージをつけてくれと頼まれたエピソードなどで笑いを誘っていた。

MySQLについてはそのユーザーがかなりの勢いで増え続けつつも、ほとんどのユーザーがタダで使っていることについて触れていた。しかしそれらのユーザーもサーバー機器にはお金を落とすことから、サンのサーバー事業とのシナジー効果、また多くの開発者のコミュニティー支援とそこから生じる盛り上がりがサンにどう貢献するか、などについて語っていた。

さて、これらはCEOの基調講演なので、その他の人がどんなことを話していたのかを探していた。

http://www.sun.com/events/sas2008/index.jsp

そんなに目新しいものは無いかと思ったのだが、気になったのはRich Green氏の講演資料に出てきたこれだ。

Project Kenaiと名づけられた右側の部分にはこんな説明がされている。

■開発者向けソーシャルネットワーキング
クラウドアプリケーションのためのホスティング環境
■強力なストレージサービス

開発者を巻き込んで市場を盛り上げていくことを強調しているため、その流れとしては妥当な動きだろう。サンなすでにDeveloper ConnectionなどJavaSolarisのユーザー向けのサービスを提供しているが、よくある会員用情報サイトのような域を出ていない。そのため新たな場を創設しようとするのは理解できる。ただすでにSNSのようなサービスは飽和状態にあるため、よほどの魅力がないと新しいサービスにユーザーを囲い込んでいくのは難しいだろう。しかも一度登録してもらうだけではなく、そのコミュニティが活性化しないと意味が無い。

この件に関してはこのスライド以外にほとんど情報が出回っていないので、詳細についてはまだわからない。しかし興味深い情報であることには違いない。シュワルツ氏も基調講演の中で、「金は無い」が力のある開発者たちについてSunが大事にしたいという姿勢を見せていた。今後の動向は注目だ。