SafariがiTunesのアップデートを装って勝手にインストールされる

実際には「勝手に」ではないのだが、気づかないうちにSafariのインストールに同意したことになっている、というのが問題だ。
iTunesQuickTimeをインストールしたPCを使っていると、Apple Software Updateが時々それらのソフトウェアのアップデートを知らせてくれる。表示されるソフトウェアのリストにはチェックがデフォルトで付いていて、通常はそのまま「項目をインストール」とするとアップデートしてくれる、実に便利な機能だ。

が、しかし今回ははっきり言ってずるい。錯誤を利用した強制インストールといわれても仕方が無いだろう。何しろこれまでこのアップデートは、すでにユーザーが選んでインストールしたソフトウェアのアップデートのために使っていたのであって、このアップデートで全く新しいソフトがインストールされることは無かったからだ。

今回の「アップデート」ではSafariのインストールが最初から選択された状態で、アップデートのお知らせが立ち上がる。そのままいつものようにインストールすると、いつの間にかデスクトップにはSafariのアイコンが鎮座しているという寸法だ。

今回の件についてはMozillaのCEOが批判のコメントを出しているが、当然のことだ。確かに違法ではないかもしれないが、Safariのユニークユーザー数を統計上だけ増やすための姑息な作戦でしかない。きっとこれである程度のSafariを「出荷」した後、「Safariはブラウザ市場でこれだけのシェアを確保しました!」とか発表するに違いない。

Appleにはその辺で業界の模範となって欲しかったので残念でならない。このような事象が受け入れられると、マルウェアが簡単にインストールされる事例を看過することになる。SunのJava開発者の多くもマックのファンが多いようで、イベントのデモで出てくる人の多くがLeopardを使っていた。

外国のITニュースサイトのユーザーのコメントを見てみると、概ね批判が6割、「よくわからないけどいいんじゃない?」系のアップル擁護が3割程度、というのが今日の時点での様子のような気がする。日本のブログなどではまだあまり話題に上っていないが、結構重大な問題ではないかと思う。

余談だが、私自身は開発でMacを持っていないので、Safariでの動作検証を友人のマックユーザーに頼んでいた関係で、WindowsSafariが日本語表示をサポートしたらすぐにインストールしようと思っていたので、このアップデートのときはすぐ気がついて、喜んでインストールした。でもそれはSafariに対してアンテナを張っていたからであって、ぜんぜん気づかずにインストールしてしまう人が大多数を占めるのでないかと思う。

実際普通の人にはIEと、せいぜいFireFoxだけでブラウザは十分であろうから、WindowsSafariをインストールする意義はわかりにくい。ちなみに開発者用の便利がプラグインがオプションでインストールできるので、ウェブの開発に携わる人は入れて損はないと思う。