通訳のコツ:業務知識

ソフトウェア開発の傍ら、依頼があるときは通訳(日→英、英→日)の仕事をしている。当然英語が相当程度話せないと仕事としての通訳はできない(ちなみに7年くらい受けていないが、最後のTOEICは955点だった)が、それだけでは役に立たない。話している内容についての相応の業務知識が必要だ。

私の場合は仕事柄IT関連の通訳を必然的に頼まれる。例えば某コンピューターの専門学校にAdobeの社長が講演に来たときとか、アメリカ政府関係者の視察団が来たときとかにする通訳は、比較的気が楽にできる。

一方、あまりしらない分野になるとお断りすることも礼儀だと思う。しかしそれでも他にツテがないのでどうしてもと頼まれる際は、できるだけその業務知識を詰め込むことにしている。

昨年から臨床試験の通訳を時々依頼されるようになったので、薬の説明とかを訳すことが増えてきた。そこで薬理学の入門書を買ってきてそれを読むと、自分が説明しようとすることがより良く理解できるようになった。

買ったのはこの本だ。

勉強したい人のための薬理学のきほん

勉強したい人のための薬理学のきほん

薬剤の説明には、その新しい開発中の薬が、既存の薬と比べて何が違うのか、ということも含まれる。このような本で勉強しておくと、その説明がより良く理解できるようになる。

結局自分が理解していないことは通訳できない。それ故に、語学力と同じくらい、業務に関する知識の習得は不可欠なのだと学んでいる。